2018年05月16日
消費税増税を前に家づくりへ動く消費者が増えた?
テレビCMでもおなじみかと思いますが、長期固定金利の住宅ローン「フラット35」を提供する、(独法)住宅金融支援機構北海道支店が、今年2月に実施した「住宅市場動向調査」の結果を4月下旬に発表しました。昔の「住宅金融公庫」と言えば、わかる方も多いかと思います。回答したのは、道内の一般消費者100人と、長期固定金利住宅ローン「フラット35」を利用したことのある住宅会社108社。
5年前からほぼ半年に1回の割合で同じ調査を続けており、今回はこれまでの結果も踏まえて概要をご紹介します。
金利動向に敏感な一般消費者
消費者に対する質問の中では、「平成30年度は前年度に比べて住宅が買い時である」と答えた方の割合が47%と、全体の約半数になりました。
買い時であると答えた理由については、「消費税増税前の駆け込み」を挙げる人が72%と約4分の3を占めました。「住宅ローン金利が低水準」で43%と昨年に続いて第2位だったものの、昨年に比べ14%もダウンしました。一方で第3位に入った「金利先高感がある」は36%と12%増えました。
このことから、消費者は増税前に急いで買おうとする人が多く、また「今は金利が安いけど、上がるんじゃないか」とかなり気にしている様子がわかります。
住宅会社を苦しめる、人件費・土地・建材の値上がり
さて、住宅会社に「お客さまが一番利用する住宅ローンは?」と聞くと、一番多いのが「3年固定型」で33.3%、次に多いのが「フラット35」で21.0%、「フラット35以外の全期間固定ローン」20.0%、「10年固定型」19.0%の順に続きます。
これは一昨年秋の調査よりも3年固定型が10%もダウンし、フラット35が6%近く増えました。これも「そろそろ金利が上がるのではないか」という消費者の不安心理の表れかもしれません。
一方、住宅会社は58%が「平成30年度は前年度に比べて受注・販売が増える」と回答し、5期連続で過半数を超えました。とても景気が良さそうに見えますね。
その要因として、「消費税増税前の駆け込み需要」を挙げる事業者が全体の59%と最も多かったです。さらに、「景気の回復感が徐々に広がってきているから」も前年度の17%から28%に増える一方、「すまい給付金、贈与税非課税措置、住宅ローン減税等があるから」は、22%から8%に減少。駆け込み需要だけでなく、景気回復の手応えもあるようです。
しかし、住宅会社を苦しめているのは、さまざまな値上がりです。「価格が前年度よりも上昇する見込み」とした回答の割合は、人件費が44%、住宅用地取得価格が52%、建築資材価格にいたっては60%となっています。いずれも5年前に調査を開始してから最高レベルの水準です。
土地価格は、全道的に上がり気味のようです。十勝でも、帯広市内だけでなく音更町などでも便利の良い土地での分譲地開発がほぼ終わっていますので、立地条件と価格のバランスの良い土地が見つかりにくくなっています。札幌では、土地の平均取引価格が5年連続で上昇しており、土地不足が問題になっています。
人件費も、「働き方改革」などが叫ばれ、また職人不足が慢性化している今、職人さんの人件費をきちんと上げようという動きが出てきました。ただ、こうした人件費、建材価格、土地価格の上昇は、家を建てたい人にとっては全て値上がりの原因となるので痛いところです。
※ご興味のある方は、住宅金融支援機構北海道支店のページから結果の概要をダウンロードできますのでご覧下さい。
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(2018年5月16日 15:02)トラックバック(0)
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