2013年06月26日
円安で建設コスト上昇
■7月の需要予測前年比2ケタ増消費増税前の駆け込みや職人不足などにより住宅建設コストは総じて上昇傾向だ。 国土交通省が6月10日発表した主要建設資材の7月分の需要動向予測は、木材が900千㎥で前年同月比13.5%のプラス、セメントも420万トンと同11.4%のプラス、生コンクリートも同10.4%増の8500千㎥と軒並み前年を大幅に上回っている。需給関係から、在庫も不足気味に振れ、建設資材の価格も上昇方向に振れている。
■円安の影響深刻に
こうした流れに拍車をかけているのが、昨年来の円安傾向に伴う資材高。特にSPF材など輸入材に頼るツーバイフォー住宅の工務店は、これまで住宅価格に反映させてこなかったが、ここにきて年初来の資材高を本格的に反映させる動きが出始めている。
北海道恵庭市の工務店・キクザワの菊澤里志社長(工務店グループアース21代表) は「ツーバイフォー材は1年前に比べ40%程度アップしている。一方で、住宅の一戸あたりの契約金額は、消費税アップ前で資金の少ない若い人の駆け込みが多く減少気味。問屋には値上げをやめてもらってきたが、今後は吸収できそうもない」という。資金の少ない顧客には、材料の良し悪しを十分説明した上で「安い建材を選んで家をつくるより、延期して価格が安定してから良い材料を採用した方が有利」と説明しているという。
北海道で住宅資材の販売や、ツーバイフォー住宅の新築を年150棟程度手掛ける住まいのクワザワ(札幌市、遠藤實社長)では「価格上昇分は転嫁せざるを得ない」(岡本武彦技術部長)という状況。円安の影響に加え、北米など輸入先での資材価格アップが要因となり、輸入構造材は昨年6月ベースで25から30%上昇しているという。
一方、同じくツーバイフォー住宅を施工する石狩市の相澤建設(相澤邦彦代表)は「構造材で(対前年同月比)1割アップ程度。合板や製品は品質と価格の変動の少ない国内品を選んでいるが、今後は読みにくい」としている。
協和木材(東京都、佐川広興社長)のようにツーバイフォー工法で木材利用ポイントを使いたい工務店のニーズに対応するため、国産材のスギやヒノキをツーバイフォー用のスタッドや土台などに活用する動きもあるが、北海道においてはエゾマツやトドマツなどの地域材を活用する場合、「現状では、単価差があり利用できる状態にない」(岡本氏)という。
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(2013年6月26日 15:29)トラックバック(0)
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