2013年06月26日
フラット35の金利が上昇方向
フラット35の主力は返済期間21年以上35年以内のローン商品。6月の最低金利は昨年5月の2.07%以来の水準まで上昇し、4月に史上最低水準となる1.8%を記録してからは2カ月連続で上昇した。 今月は上げ幅も大きく、前月から0.22%も上昇。返済期間が20年以下の商品も6月は最低金利が1.74%と、前月から0.2%上がった。 フラット35以外の住宅ローンの金利も、固定期間が長い金利タイプを中心に上昇傾向が強まっている。メガバンク3行(みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行)とりそな銀行は、6月の住宅ローン金利を5月に続いて引き上げた。4行とも主力の10年固定金利型を0.2%引き上げている。 信託銀行も、三井住友信託銀行が同じく10年固定を0.3%上げた。インターネット専業銀行も6月分から軒並み大幅に金利を引き上げている。住信SBIネット銀行は10年固定を5 月適用分よりも0.35%引き上げ、ソニー銀行も0.286%引き上げた。 |
■低金利が生活者の意欲活発化 金利が上昇に転じる前の今年3月・4月、住宅金融支援機構が民間住宅ローンを借り入れた人を対象に行った調査によると、変動金利型の利用割合は3月49.1% から4 月は45.7%と3.4ポイント減少。その分、長期金利固定型や金利固定期間選択型が増え、なかでも10年固定型は3月の8.3%から4月の15.0%へと大きく増えた。 消費増税による動きに加え、こうした歴史的な低金利が市場を活性化させている。銀行による貸し出しは住宅ローンの好調もあり、20カ月連続で前年を上回っている。 またここへきて金利が上昇に転じたことで、先高感から住宅取得に動く生活者が増えているという声も住宅会社からあがっている。「上昇傾向にあるとはいえ金利は今も歴史的に見ればまだ非常に低い水準。金利上昇に備えて固定金利型のローンを選ぶ人が増えている」(都内のビルダー営業担当)という。 消費増税前の駆け込み需要に加え、金利の動向も「いまのうちに」という住宅取得意欲を刺激しているようだ。ただし、懸念もある。今後、金利上昇が続けば生活者が負担する取得コストが大幅に上がり、市場がその勢いを失う可能性もある。消費増税の影響だけでなく、金利の動向もしっかり注視して、適切な情報を提供していく必要がありそうだ。 |
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