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十勝2×4協会ブログ

2012年08月30日

準耐火木造の建基法違反が拡大、東日本ハウスにも

 大手・中堅住宅会社の木造住宅で、準耐火構造の仕様に関する建築基準法違反が拡大している。6月のアキュラホーム、8月10日の住友林業に続いて、同月24日には東日本ハウス(盛岡市)の違反も国土交通省の発表で明らかになった。対象部位は今回も石こうボードを使った間仕切り壁で、国土交通大臣認定を受けた仕様に対する不適合が判明した。件数は228件に及ぶ可能性がある。国交省は24日に住友林業の件数の追加も発表し、同社の違反容疑件数は1437件増えて4961件になった。

 東日本ハウスの住宅が違反したのは、同社と国交省の発表によると次の4項目だった。(1)下地組みの胴縁が欠落(2)石こうボードを留めるビスの長さが不足(3)間柱の間隔が広すぎる(4)石こうボードを留めるビスの間隔が広すぎる。アキュラホームや住友林業と同様、石膏ボード工業会が取得した認定番号QF045BP-9071の大臣認定の仕様に対する不適合だった。2008年に静岡県内に建てた木造3階建て住宅1件で違反が確定している。同様の疑いがある住宅が他に227件建てられており、うち224件は木造3階建て住宅だという。

●東日本ハウスの住宅の大臣認定仕様に対する違反
(資料:国土交通省の発表資料に基づいて日経ホームビルダーが作成)
(資料:国土交通省の発表資料に基づいて日経ホームビルダーが作成)

 東日本ハウスによると、違反が確定した静岡県内の住宅は同社社員の自宅だ。8月10日に住友林業の件が判明したのを受けて、自社の住宅にも同様の可能性があると判断。同月14日、社員が自宅として建てた1件をサンプルとして調査したところ、自社の工法が大臣認定の仕様に適合していないことが分かったとしている。自社の工法で新たな大臣認定を取得する方針だという。

住友林業の件数は約5000件に


 住友林業については、国交省は8月10日に発表した準耐火構造の在来木造の住宅3524件の他に、別の在来木造6件と枠組壁工法(ツーバイフォー)1431件にも不適合の疑いがあることを8月24日に発表した。追加発表分には外壁の屋内側の準耐火構造(材質は間仕切り壁と同じく石こうボード)に生じた案件も含まれる。

 追加発表分の中でツーバイフォー89件、在来木造6件には、通常の準耐火構造より延焼抑制時間が15分長い1時間準耐火構造の認定に対する不適合の疑いがある。

●住友林業の住宅の大臣認定仕様に対する違反(追加発表分)
(資料:国土交通省)
(資料:国土交通省)

安藤 剛日経ホームビルダー

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2012年08月27日

国産材普及に逆風が吹く?

政府は、国産材普及にさまざまな補助金をつけてやろうとしています。
先日話が出た農林水産省の「国産材エコポイント」もその一環でしょう。
 
 
その話は、ひょっとするとロシアの変化と関係があるのかもしれません。
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/boutai/pdf/120824-01.pdf
これは、林野庁に載っていた情報ですが、ロシアがいつの間にかWTO(世界貿易機構)
に加盟し、関税を下げるのだそうです。

WTOに加盟すれば、勝手に関税を変えられなくなるので80%なんて高額関税はまず
やらないでしょう。そして、表を見ると輸出割当量を増やして関税も下げてくるのです。

確か数年前は「資源保護のために丸太に80%の関税をかける」なんて話が出て
いました。しかし、リーマンショックなどもあって景気が冷え込んだために延期と
なってました。
 
 
国産材の普及率は数年前に最低となりましたが、ここ数年政府の補助金策などもあって
少し回復していました。しかし、これは国産材普及に逆風が吹きかねない状況です。
 
 
補助金で国産材を使ってもらおう、というやり方は悪くはありませんが、「補助金がなくな
れば使わない」「補助金の額が少なければやらない」という考えも生まれてきます。
 
国産材は為替の影響にかかわらず価格が一定しているというメリットがあったのですが、
現在では外材に押されて丸太の価格が暴落しています。樹種によっては外材よりも安く
なってしまっているそうです。山林を所有している人たちは、「国産材普及といっても丸太
の価格がこうも安くては」とため息をつく人もいるとか。
 
田中敦夫さんという方は、「だれが日本の『森』を殺すのか」というショッキングなタイトル
の本で、日本の森林経営の問題点と、その改善の可能性についてわかりやすく書いて
います。
 
この本が出版されてから7年が経ちますが、国産材を巡る状況は大きく変わってはいな
いと思います。
 
ちなみに、国産材を使うと家の値段が大幅に高くなると誤解している方もいますが、実際
は国産材を構造材に100%使った家で数十万円以内におさまると思います。
 
 
実は価格以外にも、「必要なときに必要な部材が手に入るか」に対して十分に応えられな
い場合があったり、普及を阻害する問題は単純ではないのです。

ただ、これから家を建てる人たちが「国産材で建てたい」という気持ちを多くもってくださる
人がいれば、なによりも大きな追い風となります。住宅会社もやりやすくなります。
 
難しい問題ですが、ひとりひとりに考えてほしい大切なことだと思います。

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2012年08月27日

省エネ基準見直し案提示、Q値"廃止"に異論も

 経済産業省と国土交通省は8月21日、建物の省エネルギー基準を見直す両省合同会議の第1回会議を開き、見直し案を提示した。住宅に関しては、(1)設備機器のエネルギー消費量や太陽光発電などによるエネルギー創出量に基づいて、建物全体の一次エネルギー消費量を基準とする(2)建物の断熱性については現行基準と同等の性能を求めるが、性能の指標には現行の熱損失係数(Q値)ではなく、建物の外皮の平均熱貫流率(U値)を採用する、といった内容を盛り込んだ。両省は関係告示の年内の公布、施行を予定しているが、会議では見直しの内容に異論も出た。

 合同会議は、経産省の総合資源エネルギー調査会住宅・建築物判断基準小委員会と、国交省の社会資本整備審議会省エネルギー判断基準等小委員会の各委員で構成している。後者の委員長の坂本雄三・建築研究所理事長が議長に就任した。委員の属性は学識経験者や、建築・不動産・建築設備・エネルギー関連の各団体の関係者などだ。8月31日の第2回会議、9月10日の第3回会議を経て新しい省エネ基準の案をまとめて、パブリックコメントに掛けることを予定している。途中で都市低炭素化促進法(都市の低炭素化の促進に関する法律)が成立した場合には、環境省の委員会も交えた3省合同会議で低炭素建物の認定基準も検討する。

 3省は7月に「低炭素社会に向けた住まいと住まい方の推進方策について 中間とりまとめ」を公表した際に、次世代省エネ基準の通称で知られる現行の省エネ基準(1999年基準)を見直す方針を明らかにしていた。住宅については現行基準が建物の断熱性能(外皮性能)本位となっているのを改めて、設備の省エネや創エネの各性能も踏まえた一次エネルギー消費量本位とすることを方針の中に盛り込んでいた。

 経産省と国交省がこれらの方針に沿って合同会議に出した見直し案の全体像が下の図だ。1999年基準では建築物(非住宅)と住宅の各省エネ基準を、省エネ法関連の別々の告示で定めているのに対し、見直し後の基準では関係告示を一本化しようとしている。ただし、分譲戸建て住宅を対象とするトップランナー基準(住宅事業建築主の判断基準)は2013年度を期限(目標年度)としているため、今回の見直しでは手を付けない方針だ。

●省エネルギー基準の見直し案の全体像
(資料:経済産業省、国土交通省/一部に日経ホームビルダーが加筆)
(資料:経済産業省、国土交通省/一部に日経ホームビルダーが加筆)


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2012年08月25日

省エネ基準見直し 国交・経産省が原案を提示

省エネルギー基準の適合義務化に向け、具体的な検討が始まった。国土交通省と経済産業省は8月21日、省エネルギー基準の見直しに向けた有識者による合同会議を開き、改正内容の原案を提示した。一次エネルギー消費量をベースにした新たな枠組みで、床面積など個別の建物の条件も反映できるようにする。住宅については断熱性能の基準を設ける考え。案として示された性能水準は、次世代省エネ基準(平成11年基準)相当。9月上旬までという短期間で集中的に審議を行い、パブリックコメントを経て10月中旬にも最終案をまとめる予定。年内にも告示の公布、施行を目指す。

 断熱性能については、性能を表す「ものさし」として、これまでの「Q値」ではなく、外皮の平均熱貫流率による基準を採用する考え。また、エネルギー消費量を適切に捉えるため、居室やその他の居室、非居室など、部屋の用途なども評価できるようにする。

 「住宅トップランナー基準」については、目標年度が2013年度であることから、原則として現行基準を維持する方針。ただ、改定後の基準での計算も選択できるようにしていく考え。(新建ハウジングより)

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2012年08月17日

住友林業、準耐火木造住宅で不適合施工が判明

国土交通省は8月10日、住友林業が東京都内で準耐火建築物として施工中の木造住宅で建築基準法違反が判明したと発表した。大臣認定の仕様と異なる仕様で施工されていたという。同様の疑いがある物件が他に3524件あるという。

 具体的には、間仕切り壁の石こうボードの留め付け方法などで、本来ならば下地組に胴縁が必要であるにもかかわらず未施工であったほか、認定の仕様よりも短いビスが留め付けに使われていた。今回、違反が見つかった物件については、改修などが指示済みという。

 同様の疑いがある3534件の所在地別の内訳は、東京都が最も多く2036件、ついで神奈川県の408件、大阪府の325件、兵庫県の138件、愛知県の133件など。青森、岩手、秋田、島根、佐賀、宮崎、沖縄を除く40都道府県で施工されているという。(新建ハウジングより)

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2012年08月06日

「地域型住宅ブランド化事業」の採択結果

国土交通省は8月6日、中小工務店などで構成する、地域型住宅供給グループを支援する補助事業として今年度から始まった「地域型住宅ブランド化事業」の採択結果を発表した。592グループから応募があり、363グループが採択された。配分額の合計は約55億円。1戸あたりの補助額を上限の120万円とした場合、戸数ベースで約4600戸分。

 各グループへの配分戸数が、参加施工事業者数を下回ることになっため、グループ内で補助額を調整して事業を実施することができるようにした。

 補助限度額の引き下げを希望する場合、8月17日までに実施予定戸数と戸あたり補助限度額を再申請する。変更しない場合は、申請不要。

 2次募集は9月以降に実施予定。1次募集分の半分程度の規模になる見込み。(新建ハウジングより)

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2012年08月06日

平成24年度地域型住宅ブランド化事業で十勝2×4協会の取り組みが採択されました!

国土交通省が募集した「地域型住宅ブランド化事業」の平成24年度第1回
公募で、十勝2×4協会の取り組みが採択されました。

 
 
この「地域型住宅ブランド化事業」とは、原木の供給者とそれを加工する製材事業者や工場、
建材販売店、設計事務所と工務店・・と家づくりに必要なほとんどの業種が集まって1つの
グループを作り、地域材を活用し地域の風土・気候に合った「地域型住宅」を消費者に供給
するというものです。
 
 
十勝2×4協会も、『「信頼・安心の絆34年」とかち2x4エコ住宅』という地域
型住宅の取り組みを申請し、本日6日付で採択となりました。
 
 
なお、この取り組みに沿って『長期優良住宅』として建てられる住宅には
国から建て主様に補助金が交付されます。
 
補助金を受けられる戸数は限りがございますので、詳しくは当協会の会員工務店にお問い
合わせください。


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2012年08月01日

透湿防水シートに劣化問題

 高断熱・高気密化された住宅躯体の耐久性を確保する「通気層工法」に欠かすことのできない透湿防水シート。09年6月の長期優良住宅普及促進法の施行、同年10月の住宅瑕疵担保履行法の本格施工から3年余り。瑕疵保険に関わる漏水事故が発生した竣工後10年以内の戸建住宅で、ボロボロに劣化した透湿防水シートの事例が相次いで報告され、同シートの品質が低下しているのではないかと波紋を呼んでいる。事態を重視する住宅瑕疵担保責任保険協会は、市場に出回る透湿防水シート10数種類を無作為に抽出し、JIS規格に基づく適合評価試験を本年度中に実施する方針。その試験結果によっては透湿防水シート協会に対して事故の原因解明を求めることも。躯体の耐久性に関わる「性能部材」の品質に、初めて改善指導のメスが入る可能性が出てきた。
■瑕疵保険が引き金
 透湿防水シートの性能劣化が問題視される発端のひとつは、防蟻・防腐剤によるシートへの影響だった。
 従来、防蟻・防腐剤が十分に揮発した構造材を使用する限り、シートへの影響がほとんどないと考えられていた。しかし、長期優良住宅の認定開始以降、通気胴縁に対しても防蟻・防腐処理するケースが増加し、浸入した雨水に溶けだした薬剤がシートの防水性を低下させ、結果的に性能劣化を招いた事例が報告され始めた。
 シートの性能劣化に関わる材質と薬剤の因果関係は明らかではないが、シートに対する防蟻、防腐剤の影響は以前から指摘されていた問題。一方で、竣工後10年以内の戸建て住宅で漏水事故が発生し、補修工事の現場でボロボロに劣化したシートが散見される事例が報告されてもいた。
 住宅瑕疵担保履行法が09年10月1日から本格施行され、同日以降に新築住宅を引き渡した建設業者及び宅建業者に対して保険加入や保証金供託による資力確保が義務付けられて2年余り。一部の保険法人からシートの性能劣化に対する疑義が出され始めている。
 漏水事故の原因はさまざまだが、これまで単なる雨漏りとして見過ぎされてきた可能性が高い過去の漏水事故に、シートの劣化が損害の拡大を招いていたと考えられるものがあり、保険法人は「賠償金の支払いリスクが高まっている」として国交省に情報提供を行っている。
 
 ■「お知らせ」通知
 シートの性能劣化は想像以上に潜在している可能性が否定できない。
 保険法人で組織する住宅瑕疵担保責任保険協会は事態を重視し、国交省瑕疵保険対策室の指導の下、透湿防水シート協会に対して性能試験データの提供を要請した。
 今年3月22日には同協会加盟社宛てに「お知らせ」と題した文章を発出。「次年度(12年度)において市場から無作為に選定した10数種類のシートのJIS全試験を実施する予定で準備を進めている」と通知した。「事件実施の結果次第では国の指導に基づき瑕疵保険業界として事故の原因解明を求めていくことがある」とし、透湿防水シート業界による自主的な性能調査の実施及び結果報告を要請している。
 
 ■ローコストのツケ
 透湿防水シートのJIS規格(JIS・A・6111)は、同協会の前身である懇話会が参画し、第1版を制定・UV照射のみだった耐久性試験に熱負荷などが追加されるなど、10年の瑕疵保証に対応する項目を追加、04年(平成16年)に現行の最終版を制定している。
 しかし、JIS規格への適合は各メーカーの自主表示に等しく、これまで市場流通品からの抜き取り試験などは行われていない。いわゆる自己適合宣言による、メーカーの自主的な品質管理に依拠している。
 シート施行は一般的に外装工事業者が行う場合も、その材工価格は住宅会社の仕切りで決まるケースが多い。結果的に、住宅のローコスト化が部資材の材工価格に伝播し、コスト削減のツケがシートの性能劣化を招いたとみられる。
 ただ、シートの性能劣化は建築基準法等の法律・告示に抵触するものではなく、国交省としても直接的な行政指導に踏み出せないジレンマを抱えているとみられる。一方で、躯体の耐久性に関わる性能部材の品質管理は、長期優良住宅の維持保全計画(30年間)やインスペクション(建物検査)の標準化に向けた重要課題のひとつでもあり、シート劣化の疑いが事実ならば改善指導に本腰を入れるだろう。
 保険協会等による原因解明の成り行きによっては、住宅業界への影響も少なくなく、その行方が注視される。(北海道住宅通信社記)

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