2012年07月21日
カナダの「究極のエコ住宅」を勉強しました
7月5日、住宅の消費エネルギー量を"実質ゼロ"にするという「究極のエコ住宅」についてオープンセミナーをJR帯広駅前のとかちプラザで開催し、十勝2×4協会の会員をはじめ、建築関係者ら約60名が参加しました。※この取り組みは、十勝毎日新聞でも紹介されました(右の画像参照)。
"実質ゼロ"とは、家に取り付けた太陽光発電や太陽熱利用で得られるエネルギーから、照明や暖房、給湯など家庭内で消費する全てのエネルギーを差し引くとゼロになるという意味です。これは「ネット・ゼロ・エネルギー」住宅と言われています。日本で良く使われる「光熱費ゼロ住宅」と違ってエネルギーの価格に左右されない指標です。
セミナーでは、カナダ住宅金融公社で講師を務めるドミニク・アローシェ氏(写真右)が、カナダで建設されたネット・ゼロ・エネルギー住宅の特徴や実証実験について紹介。また、カナダ・ブリティッシュコロンビア州の木材製品を普及させるための非営利団体「BCウッド」のジム・アィバンオフ氏が、住宅以外の建築物もできるだけ木造で作る「ウッドファースト」の取り組みについて説明しました。
ドミニク氏によると、ネット・ゼロ・エネルギー住宅に重要な技術は、超高性能断熱材の使用や、超高気密仕様(日本の省エネ仕様よりも6倍以上厳しい仕様です)など。このほか、効率の良い家電製品の使用や、シャワーを浴びた後に排水として捨てられるお湯を熱だけ再利用するヒートポンプ温水暖房や給湯製品なども重要です。
多くのカナダ国民は、ネット・ゼロ・エネルギー住宅に住みたいと考えています。4年前には、15棟のネット・ゼロ・エネルギー住宅を実際に建てて検証もしました(写真右下)。その結果、複雑で高度なシステムを使うのではなく、操作が簡単で使いやすいものが必要と結論付けられました。
ネット・ゼロ・エネルギー住宅は、快適で健康的な室内環境が実現できることや、外部から多量のエネルギー供給を受けなくてもいいという点で"エネルギーの安全保障"になります。
十勝は食糧自給率は日本一ですが、エネルギーの自給率は決して高くありません。ネット・ゼロ・エネルギー住宅への取り組みは、十勝でも必要なことだと感じました。
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