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十勝2×4協会創立40周年記念座談会

若い力が変えていく、十勝2×4協会の家づくりと地域の未来

2018年、十勝2×4協会は創立40周年の節目を迎えました。その記念事業の一環として6月19日、帯広市内のビジネスホテル宮崎で若手会員9名による座談会を開催しました。温暖化防止への対応から少子高齢化、人口減少といった社会問題も含め、業界全体が大きな転換期に差しかかろうとしている今、会として今後の道筋をどのように作っていくべきか―。それぞれの思いを語りました。

出席者(敬称略 写真前列左から順に)

  • 帯広市 (有)ウッドライフ代表取締役 富原利光(44歳、帯広市出身)
  • 芽室町 (株)カントリーヴィレッジ代表 朝日良昌(43歳、浦幌町出身)
  • 帯広市 (株)石井建設代表取締役社長 石井靖久(46歳、帯広市出身) 
  • 帯広市 TRAD(株)建築部長 鈴木和也(41歳、音更町出身)
  • 幕別町 (株)岡本建設取締役部長 岡本渉(35歳、幕別町出身)
  • 帯広市 (株)プラスワイド代表取締役 清水英貴(33歳、清水町出身)
  • 本別町 (株)鹿島組取締役専務 鹿島隆史(36歳、本別町出身)
  • 清水町 (有)外城建設 常務取締役 外城征教(35歳、清水町出身)
  • 帯広市 (株)ヒューノンホーム代表取締役 田中大裕(40歳、八雲町出身)

司会  (株)北海道住宅新聞社 白井康永

父の背中を見て建築の道へ

司会十勝2×4協会創立40周年を迎えるにあたり、会の未来を担う若手メンバーにお集まりいただきました。先代からバトンを受け取ろうとしている方、既に会社を継いだ方、独立し、創業者となった方、建築関連企業の中心的戦力として活躍中の方―いろいろな方がいらっしゃいますが、どうして住宅建築の道を選んだのでしょうか?

外城十勝・清水町で工務店を営む父の後を継ぐため、この世界に入りました。高校卒業後、2年ほどカナダに建築留学し、帰国してから首都圏で大学を卒業。しばらくは東京の設計事務所に勤務していましたが、6年前、地元に戻りました。父もまだ現役。設計から現場管理、営業、アフターサービスまで業務全般をこなしながら、私は次期社長候補として仕事をしています。

田中私の実家も道南・八雲町で5代に渡り工務店を営んでいます。ゆくゆくは会社を継ぐつもりで建築関連の専門学校に進みましたが、父に「他人の釜の飯を食うのも勉強のうち」と言われ、たまたま求人があった十勝管内の会社に就職しました。そのうち父が亡くなり、弟が後を継ぐことになり、私はそのまま十勝に根を下ろすことに。今や第二の故郷です。

岡本私の父も幕別町で工務店を経営しています。会社を継がせる気は全くなかったようですが、私の方は父の働く姿を見て住宅を造る仕事に魅力を感じていました。東京の大手建材販売店勤務を経て1年半ほど前、父の会社に入社。前職とはまるで勝手が違うので雑用からスタートしました。今は現場管理をメインに建築現場での段取りから補助金の申請手続きまでさまざまな業務を経験して勉強中の身です。

鹿島私の場合は本別町で建設業を営む父に促されて建築業界に入りました。「親の言いなりになってたまるか!」と反発した時期もありますが、「親父の後を継ぐ」ことは頭のどこかで覚悟していました。大学卒業後、外城さんと同じくカナダに留学。帰国後、営業、設計、大工と、いろいろな職種を経験し、本別に戻りました。その過程で学んだのが「住宅は1人では造れない」ということ。だからこそ素晴らしい仕事だと思います。

清水私も自分の進む道がわからず、フラフラしそうになった時、大工の棟梁をしていた父から「一緒に働くぞ」と言われ、16歳で大工の道へ。最初はあまり乗り気ではありませんでしたが、いざ始めてみると、とても奥が深い。上手く出来ない自分に腹立たしさを感じながらも、仕事にのめり込んでいきました。もともとは在来工法の職人でしたが、2×4工法に面白さを感じ始め、実績を積み重ねて大工として独立。2年前に法人化しました。

モノづくりの仕事に魅せられて

朝日私は建築とは全く縁のない家庭で育ちました。小学生の頃、浦幌の実家を建てた大工さんのカッコよさに惹かれ、家づくりの仕事に興味を持ち始めました。専門学校を卒業してから23年間、建築業に携わっています。会社を興して今年で2年目。人と話すのが苦手な私でしたが、いつしかお客様と接し、感謝されることが自分自身の喜びに。自ら設計・管理した世界に1つしかない建物が後世に残っていくことにも、やりがいを感じます。

鈴木私も親が工務店を営んでいたわけでないのですが、子供の頃から物を造ることが好きで建築の仕事を選びました。現在は建築、不動産、ビル管理などを行う会社で建築部門の部長をしています。上司だった方が独立し、後を引き継ぐ形で十勝2×4協会に参加するようになりましたが、初めて会合に出席した時は皆さんのレベルの高さに驚きました。

石井本当にそう。研究熱心な方ばかりです。私もお客様のために勉強し直す意味で1年ほど前に加盟しましたが、会員の現場を見学させてもらい、精度の高い気密施工を学んでから住宅性能が格段に向上しました。実は先輩に入会をすすめられた時、1度お断りしたのですが、入って良かったと心から思っています。

富原私も会での情報交換が自分の能力を高める上で非常に役立っています。それが結果的により品質の高い住まいづくりに繋がっていると思います。

技術力の高さを誇る2×4工法の工務店集団

司会同業者の団体と聞くと、「談合」とか「圧力団体」とか、あまりいいイメージを持たない人もいるかもしれません。

富原当協会は40年前、好奇の目で見られ、わずかな棟数しか建てられていなかった2×4工法が合理的で優れていることを先輩方が知って惚れこみ、普及させようと発足した団体です。

営業目的の団体であれば確かに仲違いがあったかもしれませんが、当協会は失敗の共有、技術向上の相互チェックといった技術面の切磋琢磨によって、お客さまによりいい家をご提供することが目的です。だから、他の会員に手の内をさらすこともできるのです。

それと、ライバルは協会員ではなく、品質の不安定な家を提供するハウスメーカーや工務店です。協会員同士が競合することもありますが、その時はお客さまの好みで選んでいただければ結構です。

先輩方がそうした志で頑張った結果、十勝に2×4工法が根付き、今があると思います。

朝日そうですね。会員各社がそれぞれにクオリティの高い住宅を提供しているという点では絶対に負けない自信があります。品質の良さを支えているのが会の担当技術員による「フレーミング検定」と「気密測定」の義務化(年1棟以上)。フレーミング検定では2×4工法のルールに適合した建て方をしているかを、釘の打ち方など細部に至るまで厳しくチェックします。

清水2×4工法の基本から少しでも逸脱している部分があれば、ズバズバ言われます(笑)。そのおかげで良い意味での緊張感が生まれ、会全体のレベルが高くなったと思います。

司会少子高齢化や後継者不足を背景に工務店の事業を引き継いでいくことが難しくなってきています。北海道内にいくつもある工務店の団体の多くは会員数の減少が進んでいるようです。その中で十勝2×4協会は世代交代がスムーズに進み、会員も減っていません。やはり他にはない魅力があるのでしょうか?

鈴木初めてフレーミング検定を受けた時は「何を言われるのだろう」とドキドキしましたが、アドバイスしていただいことがとてもプラスになっています。

田中私も入会したばかりの頃は悪いところを注意されました。何度か現場を見てもらい、「良くなってきたね」と褒めていただいたことが今の自信につながっています。

鹿島会の存在がなければ、今日ここにいる皆さんとの出会いもなかったでしょう。社会に出てから仕事の悩みを共有できる人たちと知り合う機会なんて、そうそうありません。

鈴木同感です。会社の建築部門を統率する立場になった今、十勝2×4協会のような情報交換の場があると本当に助かります。他社の建築現場を見学する機会があることが私にとって1番のメリット。外部の人には隠しておきたいようなところまで見せてもらえるので見習うべき点はどんどん取り入れています。

朝日みんなそうです。これまで蓄積してきた協会としてのノウハウを次の世代に継承していくために、いつか私たちもチェックする側にまわらないと。会の礎を築いた先輩たちも最初から何もかも上手くいっていたわけでなく、試行錯誤の連続だったと思います。十勝地域でツーバイフォー住宅のシェアが6割以上を占めるに至ったのも、十勝2×4協会という勉強の場があるのも、先輩の努力があればこそ。感謝しなくてはいけないですね。

富原私もわからないことがあれば「ここ、どうやるの?」とその場で聞いています。メンバーとの何気ない会話が発想の転換につながることもありますよ。

性能の高さと確かな施工は全社共通

司会十勝2×4協会の会員としてどのような家づくりを心がけていますか?

岡本建設ホームページから

岡本当社は性能重視の会社。創業以来、2×4工法のルールに忠実な施工を守りながら、時代の要請に応じて新しい技術や考え方を取り入れるというスタンスです。経済産業省が推進するZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)にも積極的に取り組んでいます。国土交通省が進める地域型住宅グリーン化事業の補助金制度を活用する場合は、ほぼ太陽光発電システムを搭載。最低でもNearly ZEH(ニアリーゼッチ)の性能基準をクリアしています。

田中私もどちらかというと、性能に重きを置いています。そして、契約時に提示した数値通りの性能をお約束しています。ZEHにも前向きな考えですが、「太陽光発電は後からでもいい」という方もいらっしゃるので、今のところはケースバイケースで対応しています。

岡本デザインについては高い性能を確保しやすいベーシックな箱型が基本。面白みはないかもしれませんが、それには理由があることを丁寧に説明しています。

鈴木当社の建物を好むお客様はデザイン性を重視する方が多いのですが、当協会で求められる住宅性能を満たした上でプラスαの要素としてデザインがあるという考え方です。

プラスワイドホームページから

清水住宅を取得するには何千万円ものお金が必要です。住宅ローンと光熱費をセットで考えると、やはり性能の高さと確かな施工が大前提。その点はみんな共通しているのでは。

田中構造的にしっかりとした高性能な建物を造る「任せて安心な工務店集団」。建物のデザインやプランの考え方は各社それぞれの個性がありますが、資産価値につながる構造部分や最低限求められる性能は各社とも同じ考えです。お客様から十勝2×4協会に加盟する他のビルダーのこともよく聞かれますが、「どこを選んでも間違いのない会社です」と胸を張ってお答えしています。

外城高性能住宅は、予算がかさみそうな印象をお持ちの方もいますが、当社では国や町の助成金制度のフル活用をおすすめしています。新築でもリフォームでも、どの制度が利用できるのかを確認し、お客様にわかりやすい形で提案しています。技術面では60代の棟梁クラスから20代の若手への技能の継承が進んでいるところです。若い人には新しい技術をどんどん身につけて欲しいですね。

プロから見た、十勝での良いビルダーの選び方

司会十勝で良い工務店・住宅会社を選ぶ方法を教えてください。

石井お客様から「どんな会社を選んだら良いですか?」と聞かれたら「工務店の社長でも営業マンでも、話しやすい人を選んでください」と答えます。合理化の一環としてお客様との打ち合わせの回数を少なくする会社もあるようですが、私は逆に増やすべきという考え。最低でも週に1度は直接お会いしています。

清水私もお客様との繋がりを大事にするようにしています。LINEや電話でも頻繁に連絡をとりますが、ちょこちょこ顔を出しています。引き渡し後も不具合がないかを定期的に確認。それが家を建てた私たちビルダーの責任だと考えています。ですから契約前には必ず「私とずっと付き合っていただけますか?」とお聞きしています。

外城家を建てていただいた瞬間からお客様と工務店との長い長いお付き合いが始まります。信頼できる相手かどうかが最も重要な判断基準ではないでしょうか。

カントリービレッジホームページから

朝日そうそう。次に痒いところに手が届くような提案がどこまで出来るか。お客様のご要望プラスαの住まいを提供できるよう、引き出しをたくさん持つ努力をしなくては。

富原価格が安いことはお客さまにとって魅力ですが、もし最初の見積もり金額から大幅に値引きされたら「前の見積もりは、一体何だったの?」と不安になりますよね?ただ「安いから」ではなく、しっかりとした建物を造るにはどのくらいコストがかかるのかを具体的に説明し、適正な価格を提示する会社を選ぶべきだと思います。

石井2×4工法と在来工法の違いを理解されていない方も多いと思います。こちらも性能など目に見えない部分は言葉ではお伝えしにくいですね。うちでは建物を建てている最中に次のお客様にその現場に来ていただき、実物を見ながら技術的なポイントをしっかりと説明するようにしています。

外城百聞は一見に如かず。これから家づくりをお考えの方にはぜひ1度、現場見学会やモデルハウスに足を運び、その会社がどんな家を建てているのかを実際に自分の目で見て確かめることをおすすめします。

田中自動車のカタログには必ず性能や燃費を比較する時の基準となる数値が記載されていますが、住宅はそうではありません。住宅性能も信頼できる検査機関の検査に基づいて数値化し、お客様にお示しすれば、ビルダー選びがしやすくなると思います。

リフォームにも力を入れ、十勝を元気に

司会ツーバイフォー住宅のリフォームのご相談は?

ウッドライフホームページから

外城当社では、築20~30年の住宅で増えてきています。そのほとんどが水廻りの更新と部屋の増築。他社で建てた家で断熱改修のご相談もあります。当社が建てた家に関しては、床下や窓廻りからの隙間風で室内が冷えるといった問題はありません。ただし、見積金額が1000万円を超える場合はリフォームではなく、新築(建替え)をおすすめしています。

鹿島父が本別町内で手がけた家に住むお客様は現在60歳前後。子供が進学や就職で実家を離れたきり戻って来ないので、2階の子供部屋が物置になっています。今の住まいをリフォームして子育て世帯に売却または賃貸し、高齢者世帯に適したコンパクトで機能的な住宅に住み替える―というようにうまく回っていけば、歳をとっても暮らしやすくなりますし、そのお手伝いが自分にできたら、と思っています。

朝日これまでのように次々と新しい家を建てればいいという時代ではなくなってきました。最近では敢えて賃貸住宅に住み続ける人もいます。そこで、構造に手を加えず、リノベーションで意匠的な部分だけ変え、リーズナブルな価格で持家を提供するいう提案も必要になってくるでしょう。

外城リフォームへの対応を考えた場合、10年、20年先を見据えながら地域に根ざした体制を作り上げることがますます重要になってきます。お客様に安心していただくためにも、住まいのことで困った時、気軽に相談できる町のお医者さんのような工務店にならなくては、と思っています。

朝日問題はどうアピールするか。今はSNSからブームに火がつく可能性を秘めた時代ですが、仕掛人にはPR力が必要。それが私たちにちょっと欠けているところだと思います。会がこれまで培ってきた「高品質な家づくり」もまだまだPRが足りないかもしれません。今日の座談会で話題に上ったような私たちの活動を地域の方々に広く知っていただき、「十勝2×4協会に加盟する会社に頼めば間違いない」と十勝のみなさんから言われる存在になりたいと思っています。

岡本その通りですね。これから家を建てる若い世代に関心を持ってもらうにはSNSやブログによる「情報の見える化」など時代に合ったPR方法が不可欠だと思います。

清水情報発信も含めて変わらないといけない部分がいろいろありますね。その上で十勝2×4協会の活動を地域の発展とどう結びつけていくか。十勝が元気じゃないと良い家を建てていただくことは出来ません。

外城最近は乳製品や農産物など十勝ブランドのファンが増えています。十勝が好き、住んでみたいという方も全国にいます。会が中心となって町おこし的なイベントを企画し、業界全体、さらには十勝全体が波に乗っていけるような大きな流れを作っていきたいですね。

鹿島視野を大きく広げればチャンスが見えてきます。後はやるか、やらないか。私たちのチャレンジ精神と決断力にかかっています。

六花の森(中札内村)の春

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