プラスワイドの清水英貴さんは、ツーバイフォー大工(フレーマー)として、会員の建築現場でも活躍、これまで大工として100棟以上の住宅現場にかかわってきました。会社を立ち上げたのは今年(2016年)1月。今は社長として経営や設計に全力を尽くしています。創業までの経緯と、新会社での家づくりについて話を聞きました。
- 清水社長
- 白樺通の南側に回って敷地に入り、建物の右側入口を上がって2階の美容室の奥にある
父親が大工をしていました。ものごころつく頃から父親の仕事ぶりを見て育ち、「自分も大工になりたい」と思っていました。
当時、大工仕事で憧れていたのは「墨付け」と呼ばれる作業。木材に墨で印を付けて、仕口などどう加工するかを決めます。「これができるようになれば一人前」と思っていました。さっそく、学校を出て地元の工務店に入りました。
20歳の時には1棟まるごと墨付けをしました。どんどん責任ある仕事を任せてもらえるようになり、21歳の時には、公営住宅も担当しました。
その工務店では、在来軸組工法だけでなく、ツーバイフォー工法もやりました。
いろいろな仕事を経験させてもらって、今でも感謝しています。
- 完成1棟目の住宅
- 2棟目の住宅外観
- 上記住宅の2階からリビングの吹抜けを俯瞰
その後、一人親方(会社に属さないフリーの大工)として独立しました。工務店や住宅会社の依頼に応じて、住宅の建設現場に入って仕事をしました。いろいろな工務店、住宅会社によって違う施工のしかたやルールなどがわかってきました。
依頼が増えてきたので大工1人を雇い、自分と2人で年間11-12棟の住宅施工をこなすまでになります。何年も働いているうちに、効率よく確実な仕事をするにはどうしたらいいか、常に工夫するようになりました。そうした中で、「ツーバイフォー工法の現場は合理的で仕事が速い」と感じました。
「家を建ててほしい」と個人的に頼み込んでくるお客さんもいましたが、当時は住宅施工に必要な資格は持っていても、工務店を始めるのに必要な建築士の資格を持っていなかったので、お断りするしかありませんでした。
そこで、一念発起して専門学校に通い、建築士の資格を取得。2016年1月、「株式会社プラスワイド」を立ち上げ、社長となりました。
その後、札幌で開催された建材の展示会で十勝2×4協会会員の岡本建設さんとばったり出会い、2×4への思いを話しました。すると、「入らないか」とお誘いをいただき、入会できたのです。
- 日が差し込むリビングの吹抜け
お客さまに恵まれ、会社を設立してからほどなく新築工事が始まり、この7月に記念すべき1棟目の住宅が完成しました。完成見学会も開き、応対しきれないぐらい見学者が来られて大きな手応えを感じました。この家には、これからの家づくりに必要な性能、デザインを盛り込みました。
たとえば、断熱は外壁に140mmのグラスウールを充てんし、付加断熱も採用するなど高断熱。住宅全体の断熱性能を表すUA値は0.31Wと国の省エネ基準0.46Wに比べて約1.5倍の断熱性能です。室内は、LIXILやパナソニックなど大手メーカーの建材を使用して高レベルの品質を確保しています。
優先順位は、まずは暖かさ。十勝は寒暖差が激しいからです。そこで、2×6工法で断熱性も耐震性も優れた基本性能にしています。その上で高いデザイン性を目指します。室内だけでなく、庭や物置、カーポートなども含めたトータルデザインです。高度なCGを使えるCADソフトもありますので、打ち合わせの段階でお客さまにリアルな完成イメージをご提案できます。
暖かさの追求に関しては、専門家向けの熱計算ソフトを使用して1棟1棟性能値を計算し、暖房効率のいい光熱費の安い家を設計しています。このソフトを活用すると光熱費もシミュレーションできます。
デザイン性については、私自身いろんな住宅会社の家づくりを現場で見ていますので、「この組み合わせは合う」など経験に基づいたジャッジができますし、インテリアコーディネーターが最近入社したので、今後はより専門的な提案ができます。
私は経営と設計、接客などに専念して現場には通常入りません。その代わり、腕のいい大工が3人在籍していますので、心配はしていません。
このほか、注文住宅だけでなく、家の相談から着工、完成まで最短3ヵ月という規格住宅「ラビィ」も取り扱っています。
まだ始まったばかりの会社ですが、少しずつステップアップして理想の会社に近づけていきたいと思っています。
- 白黒はっきりしたモダンな外観
- 外観と違って中は、玄関にシックなタイルが張られ
- アーチ型の入口など落ち着いた大人の空間が広がる
- 三角屋根でヨーロッパ風の外観
企業データ | 2016年1月設立 |
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社内体制 | 社長、大工3名、 インテリアコーディネーター1名、事務1名 ※有資格 二級建築士など |
社名 | 株式会社プラスワイド |
住所 | 〒080-0011 帯広市西1条南17丁目19-19 |
TEL | 0155-67-5412 |
FAX | 0155-67-5412 |
HP | http://www.plus-wide.com/ |
shimizu@plus-wide.com |